B.C.Rich イーグルベース リペアの記録 #3 です。 

次はキャビティー内の電装パーツの
組付け作業に入ります。
ピックアップからのワイヤー以外は
新しいパーツとワイヤーにしていき
ます。

キャビティー内でハンダ付けをする
場合、ハンダごての角度が制限され
て非常にやりにくいので、
キャビティーの外で出来る配線は
そこで済ませてしまいます。

ひと通りポットとスイッチに配線を
施しました。

キャビティーに収め、ピックアップ、
ジャックの配線、ブリッジからの
アースをつないで終了です。

アンプにつなぎ、各部が適正に機能するかチェックしています。

すべて問題なく機能しています。OK!
ホッとする瞬間です。。。

新しく作ったバックパネルを微調整のうえ装着しました。
このパネルは艶ありと艶消しを表裏で選択することが出来る優れモノです。
今回は艶消しが似合うようです。

ポットのノブも新しいものに交換し、
電装系のリフレッシュが完成いたしました。
ブリッジもかっこ良いですね。

最後にストラップピン交換をおこないました。

色々な作業をしてまいりましたが、最初の作業工程を決める段階で
ストラップピン交換が最後としてきました。
ようやくここまで来たか。。

弦を張り、完成いたしました!!!

このたびは5月にベースをお預かりしま
して、お引渡し出来たのは9月でした。
長い間お預かりすることとなり
本当に申し訳ありませんでした。


9月のライブにてお使いになりたいとい
う旨は、お預かりの際にお聞きしておりましたが、今回無事に間に合って本当に良かったと思います。

送っていただいたライブでの写真は
感動的でした。

このたびはご依頼をいただきまして
ありがとうございます。
今後とも宜しくお願いいたします。

B.C.Rich イーグルベース リペアの記録 #2 です。

次は、バックパネルと電池ボックスのフタを作ります。
バックパネルのサイズに素材を加工し、テンプレートが出来ました。

テンプレートと同じ形になるよう
樹脂材をトリマーでカットしました。

樹脂製パネルのカットが終わりました。

カットをする際、カーブの所でトリマ

ーが弾き、2度ほど樹脂素材が吹き飛ん
で行って欠けるというトラブルがありました。
怖い思いをしましたが、原因がわかってからは問題なく作業が済みました。
電動工具はやっぱり怖いですね…(汗)

本当に気を付けましょう。



ボディーのネジ穴に従ってパネルにネジ穴を開けていきます。

今回はノイズ対策としてキャビティー内にも導電塗料を塗りますので
より効果を高めるためにパネルの裏側にアルミシートを貼っていきます。

バックパネルが出来上がりました。
左側はオリジナルのスチール製のバックパネルです。
今回、電池ボックスの樹脂製フタと素材をそろえるためにこちらも
樹脂で作成しました。

キャビティー内のネジ穴が崩れてしまっていたので、ネジ穴を埋めたうえで
横にマホガニーの補強木を貼り付け
ようとしています。

接着して。
OKでしょう。

今回右側のブリッジへ交換します。
よりスタイリッシュですね。
モダンな感じがします。

ブリッジの適正な位置をしつこいほど確認し(笑)
位置が決まったらネジ穴を慎重に開けていきます。



まだ塗装の磨きがありますので、仮ではありますが、
ブリッジの取り付けを確認しました。

次のページにつづきます。
      ↓

B.C.Rich イーグルベース リペアの記録 #1 です。

今回はピックアップとペグ以外は
ほぼ手を入れていくというご依頼
をいただきました。
ありがとうございます!


ご依頼内容は
・ボディーリフィニッシュ
・ボディー・旧コントロール部分  
 穴埋め
・フレット交換
・ナット交換
・ブリッジ交換
・ポット、トグルスイッチ
 ジャック交換
・アッセンブリー交換
・ノイズ対策(導電塗料)
・ピックアップ下ウレタン交換
・バックパネルおよび
 電池ボックスパネル作成
・各ノブ交換
・ストラップピン交換


と、盛りだくさんの内容でございます。

リペアの記録も何回かに分けて
掲載していきます。

もともと付いていていたスイッチ類
を取り外してしまっているというこ
とで、開いたままになっている穴を
埋めていきます。
右側に大きい打痕もありますね。。

バック側です。
バックパネルと電池ケース部分のフタを樹脂製パネルで作成し、取り付けていきます。

まず初めにボディーリフィニッシュか
ら始めていきます。
今回は黒色からナチュラルカラーへの
変更です。


まずパーツ類をすべて取り外します。

ヒートガンで塗膜を温めながら
塗膜を削り取っていきます。

これが。。なかなか削れません(汗)
焦ってヘラの角度を誤ると刃が深く
入りすぎてボディーの木部をえぐ
ってしまうことになります。


ボディーの真ん中部分が削りにくくなったのでヤスリに切り替えて削っていきます。

ひたすら木部を出すために削って
いきます。かなりの筋トレになり
ます。

木が継いであるのが見えてきました。

トップ側はいろいろ穴が開いているので、平坦なヤスリで削ったほうが安全です。
サイド部分もヒートガンで削れています。場合によっては塗装用のはく離剤を
使っています。

ネックのような丸みのある場所は
はく離剤を使ったほうが、木部を
傷めずに済みます。

ようやく全体的に黒の塗装がはがれて
きました。
まだ中間層のサンディングシーラーと
いう塗料の層が残っており、うっすら
と紫色がかっています。

完全に木部が露出するまでまだまだ
削っていきます。

さらに削りが進み、きれいな木部が出て来ました。

次のページにつづきます。
      ↓

Fullertone Guitars テレキャスター リペアの記録です(ペグ交換)

今回はペグの交換のご依頼をいただきました。
ありがとうございます。

取り外す前の写真を撮り忘れてしまったのですが、今まで付いていたペグです。

レリック加工がされているようで、
薄緑色にくすんだ感じが再現された

ペグでした。

専用の工具でヘッド裏側から叩き、ペグブッシュを取り外しているところです。

今回の場合、ペグ穴の径がヘッド表側と裏側で違っている仕様でしたので、
裏側から工具が入らない状態でしたが
ペグ穴を拡げて対応することにしました。

ブッシュを抜く際は穴周辺の木部や塗装が損傷を受けないように、少しずつ抜いていくように留意します。

新しく交換するペグ用のブッシュを入れ終えました。

ペグをセットしていきます。

ペグを固定するビスですが…
新しく交換するほうのビスは随分と

ピッチが違うようです。

このまま使用するとネジ穴を痛め、固定する力が弱くなるといけませんの
で、今まで付いていたネジを使うことにしました。
幸いネジに関してはくすみが少なかったので違和感は無しです。

新しいペグが付きました。

元々の渋いペグに比べて、
ポップで若々しいイメージです!
(個人的な意見です。ご了承下さい。)


ピックガードの色もホワイトなので
白いペグがとてもよく似合っています。

このたびはご依頼をいただきまして
ありがとうございます。

今後とも宜しくお願いいたします。

GRETSCH G5120 リペアの記録です(基本調整) 

今回は基本調整のご依頼をいただき
ました。ありがとうございます。

ネック調整、弦高調整、オクターブ
調整、ピックアップバランス調整を
行います。

弦高が
1弦=2.0mm、6弦=2.5mmと
結構高いため弾きにくい状態に
なっています。

ネックが順反りしていましたので
トラスロッドを締め側に回して
調整していきます。回り始めが

軽かったのでまだ一度も締め込
まれていないようで、調整幅は
沢山ある状態でした。

ネックが真っすぐになったことで
弦高が0.5mm程度下がり、
1弦=1.5mm、6弦=2.0mmまで

下がってきました。

だいぶ弦高が下がりましたが、弾きやすさを考慮してさらに弦高を下げていきます。
ここからの調整はブリッジ下のサムナットを回して弦高を下げます。
最終的には1弦=1.2mm、6弦=1.6mmまで下げました。
ビビりが気になる直前で止めておきます。
弦高が低くなったことでかなり弾きやすくなりました。

このギターは弦を外すとブリッジも
外れてしまいます。
以前知らなくて突然ブリッジがずれて

びっくりした覚えがあります。。。

スケールに合うようにブリッジサドル
の位置を今一度確認して決めます。

弦を張りオクターブを合わせています。

最後にピックアップの出音バランスを
チェックします。
若干リアピックアップの出音が弱いの
でピックアップの高さを上げてバランスを取りました。

これで終了となります。




この度はご依頼をいただきまして
ありがとうございます。

弾きやすくなったことで喜んでいただ
き、なによりでございます。

こちらも作業をおこなった甲斐があり
大変嬉しく思います。

さらに弾き込まれてより良い状態に
なっていくことを願っております。


今後とも宜しくお願いいたします。




YAMAHA SA2000S リペアの記録です(配線修理)

今回は配線修理のご依頼をいただきました。ありがとうございます。

アンプから音が出ないということで
配線もしくは電気系パーツの不具合が
疑われます。

セミアコースティックギターの場合
このサウンドホールからしか配線に
アクセスできないところがつらい
ところです。

必要な情報を残しながら、パーツを外していきます。

内部を見ることが出来る鏡を使って
確認中です。

さて。。どこがおかしいのか。。??

。。?ジャックの配線が1本つながって
いないないように見えるのだが。。?
(写真は別の箇所のものです)


??。よし、外に出して確かめよう!

外したパーツを元の穴に戻せるように
タコ糸を結び付けて引っ張れるように

しているところです。

全てのパーツにひもが付いたら
サウンドホールから少しずつパーツを
引っ張り出します。
なるべく配線の形を崩さないように取

り出したいところです。
不用意に引っ張ると配線の断線につな

がってしまいます。

なかなか思うように配線が出て来ないのが普通です。焦らず落ち着いて向き合うのがコツだと思います。

ジャックが顔を出しました。

白い配線の先がありません!
やっぱり思いっきり断線しちゃって

います。

内部を鏡で見ていた時に早めにジャック部分の断線らしき箇所が見えたのはラッキーでした。
まずはジャックめがけてまっしぐらで
作業が出来ました。

ジャックへの配線の長さにも余裕がな
くジャック自体が回転した際に断線し
たものと考えられます。
白い配線を少し延長させて余裕を持た

せました。

これで問題が解決したかを確かめる
ために一旦元に戻します。
戻す際も配線が絡まないように配線の

伸び方を確認しながら作業します。

アンプにつないでチェックです。
良し! 無事、音が出ました。

完全復活です!

配線がつながったことにより
セミアコらしい雰囲気の良い音を
聴くことが出来るようになって
大変良かったです。

メンテナンスによってよみがえり
これから先も弾いていけるギター
になってくれてうれしく思います。
これからも演奏を楽しんでください。

この度はご依頼をいただきまして
ありがとうございます。
今後とも宜しくお願いいたします。

Headway GUITARS HF-JET BLACK リペアの記録です(弦高調整)

今回は弦高調整のご依頼をいただき
ました。ありがとうございます。


ネック調整とサドル高の調整で
弦高を下げます。


ピックガードには現代的な
Headwayロゴが。
幾何学模様をモチーフとしている
そうです。


漆黒がテーマの特別モデルらしく
とにかく全体が黒で統一されていて
かっこ良いのです。
 

まずはネックの調整をおこないます。
お客様が持ってこられた時は、ゆるい順反りでした。

トラスロッドを締めてネックを真っすぐにしていきます。
このギターのトラスロッド調整箇所は
標準的な場所で特殊工具も使いませんでした。


Headwayギターの場合、特殊工具を使う場合もありますが、今回はオーソドックススタイルです。良かった。。

トラスロッド調整に使うレンチ。
必要になる長さや形は本当にまちまち
です。

そのたびに買い足しているような気が
します。おかげでレンチだらけになっ
てきました。。


トラスロッドの効きも良く、
真っすぐになりました。
ネック状態良好です。


ここからサドル加工による弦高調整に
入ります。

元々の弦高は1弦が2.5mm、
      6弦が3.0mmでした。

トラスロッドでネックを真っすぐに
したことにより、1弦が2.0mm、
        6弦が2.5mmまで
        下がりました。


今回お客様のご希望の弦高は
      6弦が2.2mm程度
      1弦はそれに合わせて
      ということでした。

つまり、6弦はあと0.3mmは下げていきたいところです。
オリジナルサドルの底面に削りたい分の線を引き、削り開始です!

フラットが出たものにヤスリを貼り
水平、垂直を意識して削ります。
気を抜くとすぐに斜めに削れるので
集中します。。。

水平は大丈夫だな。。
なんか牛骨 透けてるな。

垂直も大丈夫。OK。
出来ました。
それでは装着していきます。

最終的な弦高は、1弦が1.6mm、
        6弦が2.1mmまで
下がり、目標の弦高まで持って来れ
ました。

弦高を下げることで懸念されていた
ビビりも問題なしです。良し!







       

ブリッジからのサドルの飛び出し量も
まだ高さが残っており、余裕があります。


当初の弦高よりずいぶん下がりましたので弾きやすくなっていると思います。

ご満足いただけて良かったです。
これからも練習頑張ってくださいね。

この度はご依頼をいただき
ありがとうございます。
今後とも宜しくお願いいたします。




GRETSCH 6120SSU Brian Setzer Model リペアの記録です(フレットバリ取り)

今回はフレットのバリ取りのご依頼を
いただきました。
ありがとうございます。

写真では表現しきれませんでしたが
とても鮮やかな朱色で存在感からして
すごいギターです。

フレットの端がバインディングの側面と同じ面にあるので弾いている時に
指に引っかかりを感じ、少し痛いです。
フレットの端がバインディング側面より内側にあるのが
理想だと思います。そうなるように作業をしていきます。

フレットの上面や指板側面を傷つけな
いようにマスキングをして保護します。


削っている最中に思わぬ所を削ってし
まうことがよくあるので、マスキング
は本当に大切です。

ヤスリを使いフレット端を少しずつ
削っていきます。


フレット端の張り出し方をチェック
しながら部分的にならないように
全体を削るようにやすりを動かして
います。

フレット端の削りが終わったら角の
部分をやすりを使って丸めていきます。

色々な専用やすりが販売されています
が私にはこの小さいヤスリが使いやす
くて合っているようです。

丸めた部分を1000番程度の紙やすり
を使ってさらになめらかにします。

最終フレットの端が浮いてすき間が
出来ていました。

1弦がフレットの下に入り込むと
いうことなので、一度フレットを
抜いてから再び打ち込みます。

極力そっと抜き取ります。

元々のフレットをアールを整えたうえ
でもう一度打ち込みます。

指板のアールに合わせることできれい
に入り、浮きもありません。
弦の引っかかりもなくなりOKです!

作業が完了しました。
指の引っかかりも全く無くなり、快適に演奏が出来るようになりました。

不具合が出た楽器に対しては残念ながら演奏をする機会が減っていきがちです。

今回のリペアーを経て、このギターを手にされる機会が増えることを願っております。

この度はご依頼いただきまして
ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

Fender Japan Jaguar リペアの記録です(指板打痕修正)

今回はネック横に付いた打痕修正の
ご依頼をいただきました。
ありがとうございます。

ストラトにはない魅力がありますね。
う~ん。カッコ良い。
ギターの好みは歳を経ていくと
変わっていくなぁ~。。。
この前まではレスポール一辺倒
だった私。

ぶつけられたようで、割と大きめの打痕が付いてしまっています。
指板サイドに施されているポリ塗装もぶつけられた衝撃によって白く

変色しており、目立つ感じになっています。

ヤスリを使ってダメージを受けている
塗膜を削り取っていきます。

削り終えました。

養生をしてからローズウッド材を
混ぜ込んだ接着剤を作り、

へこみが埋まるように盛ります。

接着剤が乾きマスキングテープをはがしました。
打痕が埋まるよう程良く出っ張らせることが出来ました。

指板の形状に添うように削りながら
整えます。

削り終えたところです。

ヤスリを使ったことで指板サイドの塗装がはがれ、光沢が無くなっているので
ラッカー塗料で部分塗装をおこないました。

塗装箇所を磨き上げ、作業が完了いたしました。
白丸の箇所が修理箇所です。

この度はご依頼をいただき
ありがとうございます。

出来上がりにもご満足いただけて
作業をした甲斐があります。

良かったです。

これからも音楽活動
頑張ってください。
今後とも宜しくお願いいたします。

Martin CTM D-18 リペアの記録です(フレットすり合わせ)

今回はフレットすり合わせの
ご依頼をいただきました。
ありがとうございます。

このギターを手に取らせてもら
って感じたのが、何だかとても
手になじむな~ということです。
程よく角が取れているような気
がします。

カスタムショップ製。良い。


1弦~2弦のローフレット側に弦による摩耗でへこみが出来ています。
そのほかの部分には目立ったへこみはありません。
今回はこのへこみに合わせて全体をすり合わせていきます。

指板にマスキングを施し。

フレットの上面にマジックで色を付け
たうえで削り始めます。

ヤスリに触れた部分は色が取れていき
ます。

フレットが削れることでへこみの部分
が少しずつなくなっていきます。

だいぶへこみの部分が浅くなって
きました。もう少しです。

今回、弦を1~2本ずつ外しながら
すり合わせを行っています。

ようやくフレット全体のすり合わせ
が終わりました。

丸かったフレットの頭部分がすり合わせを行ったことで、平らになり角張っているので、フレット上面を丸める工具で削りながら元の形に近くしていきます。
再度、フレット上面にマジックで色を付けます。

工具で削ることでフレットの頭の頂点が出来てきました。
写真では見えづらいかもしれませんが、フレットの頂点にうっすらとマジックの
赤い線が残っています。
この線がかなり細い線になるまで削ってあげます。この線の太さが音の立ち上がり

影響するので、大事なポイントだと言えます。

全フレットの頂点出しが終わったら
ヤスリがけ、スチールウールでの磨き
を経て、出来上がりです。

フレットのへこみが無くなり、全体的になめらかなフレットになりました。
これでコード弾きの際の音の濁り、揺らぎも解消されることでしょう。

Before
After

ネックや指板の状態も良く、
フレットのへこみの深さも浅めでした
ので、すり合わせをする量も少なくて

済み、大変良かったと思います。

今回の作業がお客様の音楽活動のお役に立てていれば幸いです。

この度はご依頼をいただきまして
ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。